自然の転写


自然とヒトとの関係が、ヒトの暮らしを決めヒトの考え方・ものの見方を導いています。
ヒトは、生活する土地の気候風土にあわせた生活を営んできました。

日本列島に住んだヒトたち日本人は和綿や麻の衣服を着、藁葺き屋根や杉皮葺きの木造建築に住み、雑穀・米・野菜、魚類・肉類・海藻類を食べて生きてきました。
日本人のイメージする自然の色は、植物の緑、木々の緑であるといいます。
日本人は蒼い緑ともに暮らす民族でした。
生活の隣に自然の恵みがありました。

日本列島は湿潤な温帯の気候圏にあり、適度な日光があり適度な雨期があります。
そして、季節風と貿易風が吹き、寒流と暖流のぶつかり合う場所に位置しています。
海岸線は岩礁と砂浜とが入り組んで、多くの種類の魚類や藻類・貝類等が生息します。
列島面積の7割以上を占める森林は、大小の動物たちの住みかでもあり、昆虫や鳥たちの種類も多い。
日本の自然条件は、豊かな食生活の環境を日本人にもたらしてきたといえます。

たくさんの種類の動植物が、日本人の暮らしの周りに生息していました。
その恩恵を受けて、日本人が食べてきた動植物の種類は千何百種にも及ぶといいます。
日本に生息する昆虫の種類は、世界で一番と言えるほと゜です。
昨今、飢餓の時代のために開発・研究されている未来食と言われる昆虫食。
驚くなかれ、
日本では古からの食文化ということでしょうか。

身体の中に、あらゆるものを受け入れる消化器官を発達させ、味覚を鍛えていった日本列島に住んだ民族、日本人。
日本人の腸の長さは、ヨーロッパ人より80センチメートル位長く、消化吸収にすぐれています。
日本列島という自然界で、ヒトが生き延びるためには、消化吸収力の強い身体が必要とされました。
消化吸収力の強い身体はあらゆるものを食べて生き、生きるために食べたのです。
あらゆるものを食べるためには、食べるための知恵を働かせざるをえなかったのです。

多種類の食料の摂取は、栄養バランスを身体に教えました。
自然界から授かった知恵です。
焼く、蒸す、煮る、調理する、生きるために食べるための工夫が生まれ、知恵になりました。
味覚を、西洋4味、中国5味と言います。
日本人は甘い、辛い、塩辛い、酸っぱい、苦い、渋い、うまみの7味を感じる力を授かりました。

自然を感じ取る能力は、自然環境によって育てられ、知恵となり文化となります。
自然がヒトをつくる。
自然が、長い年月を経て、ヒトの考え方・ものの見方を作り上げているのです。
ひとは、自身を省み、自らの身体に戻るとき、人類の求めてきたものが見えるのです。
生きてきた道筋を確かめながら明日を生きる道を模索する、そうしてヒトは人になったのです。

ヒトのからだに自然が写る


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